マジェスティS Gstone GTシリーズ 14×32T ハイギア取り付け

2023年9月1日

まだボアアップキットを組んで慣らし&セッティング中ですが、出力向上のため純正ギアだとすぐに変速しきってしまうことがわかりました。エンジンに余力があるのに使いきれていないのはもったいないのと、中型/大型バイクとの高速ツーリングも想定してハイギアを投入することにしました。

ハイギア詳細

購入したのは台湾のギア専門メーカーCHAO-CHIA GearのGstone GTシリーズ 14×32T です。マジェスティS用のギアはGSシリーズとGTシリーズがあり、GSシリーズは一次ギアを純正から流用する分値段が安いです。ただし、プレスを使って入れ替える必要があるのと、GTシリーズの一次ギアより重いです。今回購入したのは圧入の必要が無いGTシリーズになります。マジェスティSのハイギアは選択肢が少なく、ハイギアとしてラインナップされてるのは14×32Tのみです。純正ギアが13×33Tとなっており、約11%ハイギア化できます。他メーカーで確認できているところだと、台湾H GearsもマジェスティS用の製品があります。ただしハイギアの歯数は変わりません。

純正ギアと異なり肉抜きすることで軽量化されています。

裏面にはシリアルが刻印されてしっかり管理されています。2019年製でしょうか。ちなみに今回入手したのは中古品ですが、ほとんど使用された形跡の無い状態の良い物でした。

サイド部分は面取りしてありました。

こちらは一次側。13×45Tです。

横から。

こちらにもシリアルが刻印されています。

交換に必要なカバーの純正ガスケット

他にはギアオイルが必要ですが、分解交換なので220cc注入しています。ギアオイルは純正のヤマルーブを使用。

品番は”52S-E5461-00″です。

カバーが固着しており手の力だけでは外れませんでした。画像中央のような突起があるのでここを上手く使ってカバーを手前に引き抜きます。

原因はガスケットの固着でした。丁寧に外しても再使用不可の状態だったので、ガスケットの再利用は考えない方が良いかもしれません。こちらに写っているギアは圧入されているわけではないので手で簡単に引き抜けます。
~2022年8月12日追記~
数回ミッションケースカバーを交換をしていますがガスケットは必ず張り付いて千切れます。新品ガスケットは必須です。

スクレーパーで除去した状態。リアアクスルシャフトにもスナップリングが付いていますが、これは外す必要はありません。

純正ギアとの重量比較

純正ギア一次側。688g。

Gstone一次側。610g。

純正二次側。610g。

Gstone二次側。419g。

交換作業

一次側に付いている脱落防止のスナップリングは付属していませんので流用する必要がありますが、新品を利用したい場合はリアアクスルシャフトに付いているものがそのまま使えます。品番は”99009-25400″です。

軸用スナップリングプライヤー(開くタイプ)を使用。スナップリングの内径は約23mmです。

一次側のシャフトとベアリングは圧入されているので、カバーを外すと一緒になって外れます。こちら側の作業はスクレーパーでガスケットを剥がしたのみです。

ギア組み込み。トランスミッションカバーの締め付けトルクは19Nmです。

ボアアップ&ハイギアの最高速

ボアアップ前、以下の仕様で好条件の場合で最高速は136km/h(純正スピードメーター表示)でした。
・プーリー、センスプ、トルクカム、ベルト、ギアは全て純正
・ドクタープーリー白
・シムワッシャー1mm
・KN企画 パワーグリップクラッチ&アウター
・140リアタイヤ

まだエンジンの慣らし中なので限界まで引っ張ることはできていないのですが、ボアアップ後の上記仕様で、平地において146km/h(aRacer ECU走行ログ上)までは確認できています。マジックで線を引いているプーリーを見たところ、まだ端まで使い切ってない状態だったので、おそらく150km/hちょっとは行けそうな感じです。
※aRacer ECU上のスピードは純正スピードメーターよりも若干高く表示されます
~2022年7月25日追記~
別のテストでスピードメーターとECUの速度差を確認しました。aRacer ECUで146km/hだとスピードメーターでは約139km/hになります。最高速付近で約1.05倍(5%)でした。

ハイギアのデメリット

ハイギアはボアアップしていて高速道路を多用する方にはおすすめですが、デメリットとして、やはり発進加速は落ちました。ただ、軽量ギアは発進加速の向上に効果が高いので、デメリットを打ち消す効果は出ているはずです。

ちなみに純正排気量エンジンにハイギアはどうかですが、183ccボアアップ &ビッグヘッドでもかなり頑張ってる感があるので、高速道路の下り坂でもない限りは回しきれないと思います。

変速回転数変更後の最高速

後日、変速回転数を最大馬力付近に上げてハイスピードプーリーと組み合わせました。最高速は記録更新しています。
マジェスティS JAPAN SPEED スタンダードプーリーキット取り付け

~2023年8月11日追記~
GStoneのローギアも検証を行いました。
マジェスティS Gstone GTシリーズ 12×32T ローギア取り付け