マジェスティS プロテック FLT-322 LEDフォグライト取り付け

2023年2月12日

2018年式以降のマジェスティSはLEDヘッドライトになりました。明るさはありますが、横方向の配光が狭く夜間走行に支障が出る時があります。ヘッドライトを換装する社外キットは販売されていないため、追加でフォグライト(フォグランプ)を付けて対策してみることにしました。採用したのは明るさで評判の良いプロテック(PROTEC)のLEDフォグライトです。

パッケージ

品番は「66008」もしくは「FLT-Y05」です。マジェスティS後期(SG52J)専用品となります。説明書通りにはなりませんが、配線を考えればマジェスティS前期(SG28J)にも使用可能だと思います。MADE IN JAPAN。

同梱物

簡易的ですがスイッチ用の配線も付属しています。取り扱い説明書はメーカーサイトからもダウンロード可能です。

ヘッドライト本体

ヘッドライト本体。プロテックの汎用品であるFLT-322が採用されています。消費電力は28Wで色温度は6000K。28Wというバイク用LEDフォグとしてはかなり高いワット数から明るさが期待できます。製品説明にルーメンの記載は無いのですが、「35W 6000KのHIDと比較して同等以上の明るさがある」とのことなので、FAQ記載の「一般的な35wHIDは2,600~2,700ルーメン」から明るさを想定できると思います。

フォグライト/ドライビングライトの他のラインナップとしてFLH-533、FLH-535がありますが、FLT-322は遮光板が無い分最も配光範囲が広く軽量なモデルです。

前面のレンズはガラス製。ズシリと結構重く420gあるようです。

上部にはディマーセンサーが付いており、周囲が明るい昼間は1/5に減光し、消費電力も28W→5.6Wまで落ちるとのこと。接続端子を変えるだけであえて無効にすることも可能。プロテックのLEDフォグは取付方向が上下左右で決まっており、それぞれディマーセンサーの位置が上側に、配線が下側にくるようになっています。マジェスティS用はレンズ正面から見て、ボルト方向「左」という仕様になります。

ヘッドライト本体の取り付け

まずは本体をフェンダーに取り付けますが、別途用意したポッシュのM10→M8へ内径変換するカラー「901008-06」と、黒色で統一するために使った大阪魂のM6ナットとワッシャー。変換カラーは段付きワッシャーとして利用することで、フェンダーの割れ対策になります。使わない場合はフェンダー穴をドリルで拡大して、付属の加工されたナットを入れて取り付けます。

フェンダーにフォグ本体を取り付けた状態。ねじ径はM6です。フォグ本体側のナットは取り外し禁止と記載されているのでステンナットそのままにしています。付属のスプリングワッシャーは使用していませんが、緩み防止のためフェンダーの裏側からもナットで締め付けています。

フォグランプ側の配線はスピードメーターケーブルに沿ってカウル内に引き込み、端子部分を上からビニールテープで巻いて保護しています。

プラス配線

配線はフロントカウルを取り外す必要があります。説明書ではプラス配線は純正オプションのアラームを接続する端子からとることになっています。イグニッションに接続されている配線です。フロントカウル内の向かって左側の位置に存在します。

今回はエレクトロタップを使用せず、カプラーを外し、中央部からスプライス端子で分岐させることにしました。小さいマイナスドライバーを使ってカプラーから端子を取り外せるので、収縮チューブで保護することも可能です。

スプライス端子はエーモンの「3327」を使用。

付属のON/OFFスイッチ

「フォグライト↔プラス線」と「プラス配線↔イグニッションからの分岐」の間にスイッチ配線を入れるのですが、付属のものは小さなプッシュ式で形状的にちょっと使いづらそうです。

デイトナのON/OFFスイッチ

ということでスイッチを別途購入しました。デイトナのON/OFFスイッチ、ハンドルクランプタイプ、ユニバーサル(ブラック)品番71780です。ボタン部分が黄色のバリエーションもあります。

デイトナ ON/OFFスイッチの同梱物。一番左の両面テープを使うとクランプを使わないで貼り付けて使うこともできます。左から二番目はラバーシートでクランプとハンドルバーの間に入れて滑り止めや傷防止として使います。こちらのエレクトロタップも使わずにギボシを作って対応しています。

冬用グローブ装着状態の操作感を考えて大きめのシーソースイッチにしました。配線が1メートルと長いのも良いポイントです。フォグは場合によって迷惑になるケースもあるので、状況判断ですぐにON/OFFできた方が良いと思います。

裏側のボルト二箇所でハンドルバーに留めます。裏側からスイッチの基盤が見えるシンプルな構造です。スイッチの左側に切り欠きがあり、そこから配線が外に出ます。100W対応なので配線は少し太く0.75sqだったと思います。ボルトはスチール製でした。

スイッチ裏側からの見た目と錆対策のため、ポッシュのステンレスブラック ボタンボルトに変更しました。サイズはM5×10で品番は「830810-010」。

スイッチの取り付け位置

ハンドル左側はヘルメットロックがついているので、ON/OFFスイッチはハンドル右側に設置。やや上向きの方がグリップを握った状態から親指で操作しやすかったので角度を付けました。

見た目も考えてカウル内まで引き込む部分は収縮チューブで保護しています。

マイナス配線

フォグライトのキットにはプラス用とマイナス用に配線が付属しているのですが、長いので使わずに0.5sqの配線から丁度よい長さに合わせて作成しました。マイナス端子は、現在取り外しているグリップヒーター用に使っていたシガーソケットの分岐からとっています。こちらもエレクトロタップは使用していません。フォグライト側で使用するのはプラス配線の「赤」とマイナス配線の「青」のみです。白と黄色は使用しません。
※グリップヒーター用のプラス配線は現在使用していないのでスリーブの上からビニールテープで保護

装着画像

正面から見るとチップの色で黄色く見えます。フェンダー上側のボルト位置ですがハンドル操作でも干渉はありません。取付角度は点灯状態で下側から少しづつ上げていき、横方向の配光が最大になった位置で固定しています。問題があれば再度角度調整するつもりです。

フォークやフェンダー周りが黒いので違和感は小さいと思います。

露出補正してチップの点灯状態がわかるように撮影してみました。イグニッションに配線されているのでエンジン未始動のキーON状態で点灯します。私は昼間は点灯せずOFFにしていますが、昼間の減光状態でもかなり明るいので安全性も向上するはずです。別売りオプションでアイドリング時に減光する「RSE-01 エンジン回転信号センサー」が販売されていますが、自分のタイミングで気軽にON/OFFできるスイッチで十分と考え使いませんでした。RSE-01を使っていなくても本体のディマーセンサーは有効なので昼間はしっかり1/5に減光します。

点灯テスト①

テスト①はiPhone 13 Pro Max上のカメラアプリ「ProCam 8」を使ってISO、シャッタースピードを固定しています。レンズは超広角を使用。

■テスト① 純正ヘッドライト(ロービーム)

■テスト① 純正ヘッドライト(ハイビーム)

■テスト① LEDフォグライトのみ

■テスト① LEDフォグライト + 純正ヘッドライト(ロービーム)

■テスト①LEDフォグライト + 純正ヘッドライト(ハイビーム)

テスト②

テスト②はSONY α6400 + SIGMA 16mm F1.4 DC DNを使用し、マニュアル設定でISO、シャッタースピードを固定しています。撮影場所と撮影位置も変えました。

■テスト② 純正ヘッドライト(ロービーム)

■テスト② 純正ヘッドライト(ハイビーム)

■テスト② LEDフォグライトのみ

■テスト② LEDフォグライト + 純正ヘッドライト(ロービーム)

■テスト② LEDフォグライト + 純正ヘッドライト(ハイビーム)

使用感

あくまでフォグライトなので明るく照射される範囲は手前側に限定されます。配光パターンが真円のためかなり上方まで照らしているように見えますが、ロービームが届く奥側は光量が大きくありません。それより内側と横方向はフォグライトにより圧倒的に明るくなります。夜間走行中に常識のある車間距離を空けていれば、前方車両へのライトの当たり方を見ていても思ったよりも眩しくないのかなと思いました。

配光パターンが真円だと、コーナリング時にバイクが傾いても内側が暗くならないメリットがあります。あえて上向に設定してハイビームと同時利用を前提にするのも良いかもしれません。

汎用品の使用について

今回はマジェスティS用の専用キットを使いましたが、配線を自分で作りスイッチ等のパーツ類も自前で用意するなら、汎用品FLT-322の親機(RSE-01付き)、もしくは子機を購入する方が安上がりになる可能性があります。また、汎用品であればシグナスXでの取り付け例もメーカーサイトに記載があります。

2023年2月6日追記

LEDフォグ利用時の電圧をaRacer ECU上で測定してみました。LEDフォグ単体で利用した時は純正ヘッドライトよりも消費電力が大きく、ヘッドライトと併用すると13Vを下回り、回転を上げても電圧は変わりませんでした。
1バッテリーはSHORAI LFX14A2-BS12に変更
2レギュレータはREAL ENERGY S5+に変更
3フライホイールとジェネレーターはREAL ENERGYの軽量&強化に変更

点灯パターン回転域aRacer ECU上での電圧(V)※測定中の最低値を記載
消灯(ポジションのみ)アイドリング13.6
純正ヘッドライト(ロービーム)アイドリング13.5
純正ヘッドライト(ハイビーム)アイドリング13.3
LEDフォグライトのみアイドリング13.1
LEDフォグライト & 純正ヘッドライト(ロービーム)アイドリング12.9
LEDフォグライト & 純正ヘッドライト(ハイビーム)アイドリング12.8
LEDフォグライト(減光状態)& 純正ヘッドライト(ロービーム)アイドリング13.4
LEDフォグライト & 純正ヘッドライト(ロービーム)走行時(約8,000rpm)12.8

ハンドル右側にデイトナON/OFFスイッチを設置していましたが、スロットルON時に切り替えができないためハンドル左側に移設しました。ヘルメットロックが邪魔ですが左手で操作は可能です。