マジェスティS aRacer RC Super2 チタンゴールド セッティング編③

2021年7月30日

aRacerのセッティング編③です。前回のセッティング編②の続きになります。前回はaRacerSmartを使って基本的なセッティングを行いました。ここでは更に、PC用のソフトウェアSpeedTuning Super 2を使ってマップのバックアップと微調整を行うところまで記述します。ソフトウェアのインストール方法はセッティング編①を参照下さい。ここでは”D3Cyl1_VM”という燃調の基本的なパラメータしか触りませんが、その他各パラメータを含む説明はこちらのページに記載しています。

※aRacerは取り扱いを誤るとECU本体やエンジンを損傷するリスクがあります。よくわからない場合は信頼できるショップに相談しセッティングを進めることをおすすめします。

①SpeedTuning Super 2を”Advanced Mode”で起動します。”Basic”は設定や確認できるパラメータが少ないので使用しません。今回は言語を英語のままで設定を進めますが、日本語を選択してメニューを日本語化することも可能です。ただし、一部メニューのみの日本語になってしまい逆に違和感があるので私は英語で設定を行うようにしています。

②まずはベースマップをPCにダウンロードします。画面右端の”Quick Setting”をクリックするとウインドが右側から飛び出しますので、”Quick Burn”をクリックします。
※上部メニューの”Tools” > “Quick Burn”でも開けます

③別ウインドウで”SuperQB-II”というアプリケーションが立ち上がります。上部アイコンメニューから雲のマーク(Update Database)をクリックするとデータをダウンロードするか聞かれますので、”Download All”をクリックしてベースマップのデータをインターネットからダウンロードします。AllのデータにはマジェスティS以外の車種データ以外も入っていますが、セッティングの参考になるのでダウンロードしておきます。

④ダウンロードが完了すると様々な車種が表示されるようになります。その中から”YAMAHA” > “Force_155_SMax155 6th”を選ぶと、SMAX 6th(マジェスティS SG52J)用に用意されているマップが表示され、マップ下部には黄色でその仕様の概要が表示されます。今回のマジェスティSの仕様はエンジンノーマルなので”Stock”を選択して上部メニューにある書類のアイコン(Extract Current AMS File)をクリックします。

⑤ファイルのダウンロード先を聞かれるので適当な場所にAMSファイル(拡張子am2)をダウンロードします。

⑥ダウンロードしたファイルはこのような名前です。車種や仕様がわかるようなファイル名になっています。

⑦ダウンロードしたAMSファイルをダブルクリックしてします。すると、ベースマップが読み込まれた状態でSpeed Tuning Super 2が起動します。上部アイコンメニューから電波マーク(bLink Connection)をクリックします。

⑧Bluetoothでペアリングできるのは1対1なので、もしaRacerSmartを起動している場合はアプリケーションを完全に終了させて下さい。iPhoneの場合は開いてるアプリケーションを上にスワイプして終了させます。バイクのイグニッションをON(エンジンは始動しない)にしてECUを起動するとbLink2がでBluetoothデバイスとして表示されます。表示されない場合は左下の”再検索”をクリックしてみて下さい。アイコンが表示されたらダブルクリック、もしくは選択してOKをクリックします。これでペアリングが完了します。

⑨次回以降に手動で接続を行う場合は上部アイコンメニューから鎖が繋がっているマーク(Link)をクリックします。

⑩ECUとノートPCがペアリングできると”Cal Information”にECUの情報が表示され、画面最下部の接続状態を表すアイコンが”On-Line”になります。まずは、bLink2モジュールの要件である11.5V以上の電圧があるか、画面左側、Monitorの中にある”Volt_Batt_indx”で確認します。この時点では、セッティング編②においてaRacerSmartで実施したオートチューンの情報はSpeed Tuning Super 2に反映されていませんので、ECU側で持っているオートチューン済みのマップ情報をSpeedTuning Super 2反映させます。メニューバーから、”Tools” > “Read All Data” をクリックします。

⑪ECUからデータを読み込む際のWarningが表示されます。開いている調整中のウインドウが閉じられ、データ転送中は何も操作をしないようにとの内容です。”はい”をクリックすると転送が開始されます。

⑫”Reading Data Completed”と表示されればECUからSpeedTuning Super 2へのデータ読み込みが完了です。

⑬不測の事態に備え、必ずAMSファイルをPC内にバックアップしておきます。メニューバーから、”File” > “Save As…”をクリックします。

⑭保存する際のファイル名を入力してPC内に保存します。後からファイル名を見た時に、いつ何の作業を行ったのかがわかるようなファイル名を付けます。保存したら一旦ソフトウェアを終了させて下さい。また、バイクのイグニッションも一旦OFFにします。

⑮保存したファイルをコピーしてバックアップをもう一つ作っておきます。今回の手順では”20210703_smax_at_after.am2″というファイルを使ってマップの値を編集しますが、ミスをしてしまうと元に戻せません。ですので、以下のように作業用とは別にもう一つファイルをバックアップとして残しておきます。

⑯作業用の”20210703_smax_at_after.am2″をダブルクリックしてSpeedTuning Super 2を起動します。この作業はECUと接続する必要はありませんので、バイクから離れオフラインで作業ができます。画面右上の虫眼鏡のマークをクリックするとパラメータ”D3Cyl1_VM”が強調表示されますので、”D3Cyl1_VM”をダブルクリックします。右側のウインドウにパラメータが表示されたらタイトルバーをダブルクリックして最大化して表示させます。

⑰サンプルとしてわかりやすいマップを持ってきました。Eng_AP: 58.8×2000rpm付近、Eng_AP: 52.5×4400rpm付近に燃調が極端に濃い箇所がありますので、こちらを手動で修正していきます。走行時のフィーリングが重要ですが、「マップのここの箇所がおかしい」と判断する基準としてベースマップの傾向が多少参考になります。あとは、何度かオートチューンを繰り返してうまく行った場合の他のマップとの比較だったり、過去の走行ログを”iVew Tracking”で確認して判断しています。

⑱今回は”linearity”の機能を使って修正していきます。マウスオーバーで修正したい範囲をセルで挟んで選択します。この場合は”318″と”278″は修正されず、間の”343″と”330″のみが修正されることになります。次に上部アイコンメニューの”linearity”をクリックします。Linearityは直線的という意味です。挟んだセルを直線的な数値に修正してくれます。修正箇所によっては”Linearity”ではなく、その左隣の”Smoothly”の方が適していたり、手動で直接数値を変更した方が良い場合もあります。数値を修正する際は慎重に行って下さい。

⑲赤字のセルが修正された箇所です。同じように他の箇所も選択して修正していきます。

⑳修正が完了したらAMSファイルを保存します。メニューバーから”Files” > “Save As…”をクリックします。

㉑パラメーターを保存するかのダイアログが出ますので”はい”をクリックします。

㉒わかりやすい名前を付けて保存します。先程と同じように、保存したファイルとは別にもう一つバックアップファイルを作っておくことをおすすめします。

㉓修正後のパラメータはこんな感じです。

㉔再度⑨の手順を参考にBluetoothでECUと接続を行い、ECUに修正したマップを書き込みます。上部アイコンメニューから”Upload data to ECU”をクリックします。AM2ファイルが自動的にセーブされること、エンジンが停止していてキーONの状態であれば書き込めるとのダイアログが表示されますので、このまま進めて良いのであれば”OK”をクリックします。

㉕書き込みが完了すると”Upload Completed”とダイアログが表示されますので”OK”をクリックします。

以上でSpeedTuning Super 2で行うマップの管理と微調整のセッティングは完了です。セッティング編④へ続きます。
※セッティング編④は予定しているボアアップ作業後に作成予定です。