マジェスティS 純正クラッチ&パワーグリップクラッチアウター組み合わせ検証

2022年12月2日

以前パワーグリップクラッチと純正ウイナースプリングを検証した際、強化クラッチに純正ウイナースプリング使う位なら純正クラッチで良いのでは?という疑問がありましたので、純正クラッチ&パワーグリップクラッチアウターの組み合わせで検証してみました。

KN企画のパワーグリップクラッチアウターは新品を用意しました。純正クラッチは走行3,000km未満のものです。クラッチ単体を比較したかったので、今回クラッチアウターは純正を使用しませんでした。

クラッチシューはこちらのように当たりが完全についた状態ではなく、正確な比較ができないと考え、パワーグリップクラッチアウターに組み込んでしばらく走行することにしました。

こちらがパワーグリップクラッチアウターに組み込んで約200km走行したクラッチシューの状態。当たりは完全に出ていますのでこの状態でテストしています。

こちらは同じく約200km走行後のクラッチアウターの状態。ブラスト加工よりもクラッチシューの素材の方がかなり負けていて、部分的に加工がまだ残っている状態でした。シューの摩耗も大きくケース内が大量のカスで汚れていました。パワーグリップクラッチアウターと純正クラッチの相性はあまり良くなさそうなので、このアウターには素直にメタル系摩材のシューを使った方が良いと思います。

組込後約200km走行でクラッチミートは約3,700rpm。パワーグリップクラッチに純正ウイナースプリングを使用した際は約3,800rpmだったのでほぼ同じです。こちらがパワーグリップクラッチに純正ウイナースプリングを組み込んだものとの比較テストですが、50-100kmは変わらずなのに対し0-50kmでわずかに遅くなっています。ですが、大きな差は出ていないという結果です。

aRacer ECU上の走行データから取得

グラフでわかりやすく比較するために、上記表の2本目パワーグリップクラッチのデータ(左側)4本目純正クラッチのデータ(右側)のACC.TEST結果を抜き出してみました。パワーグリップクラッチの方は食い付きに負けて回転落ちが発生していますが、食いつきが強い分、半クラッチの時間が短くなっているように見えます。逆に純正クラッチは回転落ちは発生していませんが全体的にマイルドなカーブになっています。私の環境では強化クラッチに純正ウイナースプリングでもメリットはあるとの結果になりましたが、変速回転数によっては逆転するかもしれません。
※タイムは計測にばらつきがあり正確性は微妙なのでグラフの回転数傾向を参考までに